ガッコー設立委員会！
20世紀、世界には「ガッコー」と呼ばれる場所があったらしい。
「ガッコー」には１００を、時には１,０００を超えるほどの人間が集い、
「人が人に何かを教える」ということが行われていたらしい。
誰が誰に……？
いったい何を……？
教える……？
……………………………………………。
1999年初夏。
ひとつの学校が閉鎖の危機にあり、ひとつの学校が誕生の産声をあげようとしていた。
閉鎖の危機は、ある刑事事件に端を発していた。
同級生殺人事件。
いじめによる自殺ではなく、白昼堂々、生徒が生徒の命を奪った。
加害者と被害者、双方の親が学校、教育委員会を訴えた。
曰く、いじめられていた息子の立場を察知できない教師の無関心が引き起こした悲劇。
曰く、凶器となったナイフを学校に持ち込ませた管理体制の甘さがすべての原因。
校長は辞任に追い込まれたが、裁判は長期化の様相を見せた。

誕生の産声はその頃にあがりつつあった。
チャーター・ハイスクール。
それまでの詰め込み式ではない、新しい学校。
父母や教師が設立権を持ち、官僚的なルールや制限に縛られることはない。
アメリカで誕生したこの制度の、日本での第１号となる革命的学校。
その準備が、殺人事件裁判で揺れる町で着々と進められていた。
……………………………………………。
「ガッコー」は滅びゆく文明でしかなかったのか。
「チャーター・ハイスクール」は学校革命として成し遂げられなかったのか。
かつて、それが創られた……。
かつて、それは壊された……。
そしてそれは、再構築されたのだろうか……。
20世紀末、確かに存在していたはずの「ガッコー」という場所の再生をめぐる物語。



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劇団一跡二跳

制作:岸本 匡史