様々なモノに依存しなければ 生き甲斐を見いだせない 「自立できない親子像」

 



依存し合う現代家族…お互いがお互いに…家族とは何だろう…。

前作で幼児虐待という崩壊する家族を描いた古城が依存する家族を描く、最新作。

30歳を過ぎても親元を離れない若者が増えている。また娘の恋人が居候のように同居する家庭もある。子離れできないでひたすら干渉し続ける親もいる。 誰かに寄生しなければ生き甲斐を見いだせない人々の価値観を探る。

※「新たなる家族の肖像シリーズ2」  
これまでに『夏の夜の貘』(=子どもの目から見た家族崩壊)、『平面になる』(=少年犯罪加害者家族の再生)など、継続的に家族に焦点を当てた作品を書き続けてきた古城十忍が2003年から新たにスタートさせる家族劇シリーズ。この数年クローズアップされてきた「家族の闇」ともいうべき社会問題を取材に基づいて戯曲化し、上演していく。 採りあげるテーマは、「幼児虐待」(2003年5月「殺意の家」)「依存し合う親子」(当作品)「老人の性生活」を予定している。

ストーリー
高見夫婦はキャリア・ウーマンでパラサイト・シングルの娘、 半引きこもり状態にある大学生の息子を持つ4人家族。ある日、アキレス腱を切った妻 の母が居候を始め、夫の父も一方的に同居を宣言して押し掛けてくる。こうして手狭な 3LDKでの無謀なダブル同居生活が始められるのだが、高見家には妻の母や夫の父が 聞かされていない秘密が隠されていることが次々に明らかになっていく。一方、妻の母 のギプスはいっこうに取れる様子がなく、夫の父も居座ったまま出ていく気配がない。 やがて無謀な共同生活に終止符を打つべく、個人主義を貫いてきた家族同士が真正面か らぶつかり合うことになるのだが……。


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劇団一跡二跳

制作:岸本 匡史